アメリカで日本の119番にあたるのが
911番だ
そして911と言えば
18年前のナインイレブン
その日の事は忘れられない
その前々日の9月9日
わたしの両親は揃ってうちに遊びに来た
遊びに来たというより
父が最後に顔を見せに来たと言うべきか
末期ガンを宣告された父は
まだ我が家に来たことのない母を連れて
兵庫県からわざわざつくばに来てくれた
すでに認知症の義母を引き取り
3人の子がいる官舎に泊まる場所はなく
両親にはホテルに泊まってもらった
父はつくばに来るだけで大仕事だった
その夜ホテルではぐったりしていたと母は言っていた
その翌日9月10日は台風のような暴風が吹き荒れ
両親にはもう1泊したらと何度も声をかけたが
父が強硬に帰ると言い張り帰宅
その夜
母から無事帰ったからの電話に安堵した
翌朝また母から電話が来た
父の具合が悪くなったのかと飛んで受話器をあげたら
>テレビつけてみ。アメリが凄いことになってるよ！
朝食の準備でバタバタしていた私は
とりあえずテレビを付けた
そこには航空機がビルに突き刺さった映像があった
見慣れたビルだった
1年間滞在したアメリカから帰国した翌年のことだった
半年後父は旅立った
似て非なる特攻隊と自爆テロ 毛利由美
